Report State

Report State は、Google Home アクションが QUERY インテントを待つのではなく、ユーザーのデバイスの最新ステータスを Google Home Graph に事前に通知する重要な機能です。

Report State は、指定された agentUserId が関連付けられているユーザー デバイスのステータスを Google に報告します(元の SYNC リクエストで送信されたもの)。Google Assistant がデバイスの現在のステータスを知る必要があるアクションを実行する場合は、EXECUTE インテントの発行前にさまざまなサードパーティ クラウドに QUERY インテントを発行する代わりに、Home Graph でステータス情報を調べるだけで済みます。

Report State がなければ、たとえばリビングルームにある複数のライトのプロバイダがそれぞれ異なる場合、「OK Google, リビングルームを明るくして」というコマンドを受けると、まず複数のクラウドに複数の QUERY インテントを送信して解決しなければなりません。Report State があれば、前回の通知をもとに現在の輝度値を調べるだけで済みます。最適なユーザー エクスペリエンスを実現するため、Assistant は、デバイスとの送受信を求めることなく、デバイスの現在のステータスを把握する必要があります。

デバイスに関する最初の SYNC リクエストの後、プラットフォームは QUERY インテントを送信してデバイスのステータスを収集し、Home Graph に入力します。その後、Home Graph には Report State で送信された状態のみが保存されます。

Report State を呼び出すときは、デバイスの特定のトレイトの完全なステータス データを提供してください。Home Graph はトレイトごとにステータスを更新し、Report State が呼び出されると、そのトレイトのすべてのデータが上書きされます。たとえば、StartStop トレイトのステータスを通知している場合、ペイロードには isRunningisPaused の両方の値を含める必要があります。

使ってみる

Report State を実装する手順は次のとおりです。

Google HomeGraph API を有効にする

  1. Google Cloud Console で、[HomeGraph API] ページに移動します。

    [HomeGraph API] ページに移動
  2. smart home プロジェクト ID と一致するプロジェクトを選択します。
  3. [有効にする] をクリックします。

サービス アカウント キーを作成する

Google Cloud Console からサービス アカウント キーを生成する手順は次のとおりです。

: 以下の手順を行う場合は、正しい GCP プロジェクトこれは、smart home プロジェクト ID と一致するプロジェクトです。
  1. Google Cloud Console で、[サービス アカウント キーの作成] ページに移動します。

    [サービス アカウント キーの作成] ページに移動
  2. [サービス アカウント] リストから [新しいサービス アカウント] を選択します。
  3. [サービス アカウント名] フィールドに名前を入力します。
  4. [サービス アカウント ID] フィールドに ID を入力します。
  5. [ロール] リストから、[サービス アカウント] > [サービス アカウント トークン作成者] を選択します。

  6. [キーのタイプ] として [JSON] を選択します。

  7. [作成] をクリックするとキーが含まれている JSON ファイルがパソコンにダウンロードされます。

API を呼び出す

以下のタブから選択してください。

HTTP

Home GraphHTTP エンドポイントを提供します。

  1. ダウンロードしたサービス アカウントの JSON ファイルを使用して、JSON ウェブトークン(JWT)を作成します。詳細については、サービス アカウントを使用した認証をご覧ください。
  2. oauth2l を使用し、https://www.googleapis.com/auth/homegraph スコープを指定して OAuth 2.0 アクセス トークンを取得します。
  3. oauth2l fetch --credentials service-account.json \
      --scope https://www.googleapis.com/auth/homegraph
    
  4. agentUserId を使用して JSON リクエストを作成します。 次に Report State と Notification の JSON リクエストの例を示します。
  5. {
      "requestId": "123ABC",
      "agentUserId": "user-123",
      "payload": {
        "devices": {
          "states": {
            "light-123": {
              "on": true
            }
          }
        }
      }
    }
  6. Google ホームグラフ エンドポイントに送信する HTTP POST リクエストに、Report State JSON、Notification JSON、アクセス トークンを含めます。次の例では、テストとして curl を使用してコマンドラインでリクエストを行う方法を示します。
  7. curl -X POST -H "Authorization: Bearer ACCESS_TOKEN" \
      -H "Content-Type: application/json" \
      -d @request-body.json \
      "https://homegraph.googleapis.com/v1/devices:reportStateAndNotification"
    

gRPC

Home GraphgRPC エンドポイントを提供します。

  1. HomeGraph API 用のプロトコル バッファ サービス定義を取得します。
  2. gRPC デベロッパー向けドキュメントに沿って、サポートされている言語のうちいずれかのクライアント スタブを生成します。
  3. ReportStateAndNotification メソッドを呼び出します。

Node.js

Google API Node.js クライアントは、Home Graph API のバインディングを提供します。

  1. アプリケーションのデフォルト認証情報を使用して、google.homegraph サービスを初期化します。
  2. ReportStateAndNotificationRequest を使用して reportStateAndNotification メソッドを呼び出します。ReportStateAndNotificationResponsePromise が返されます。
const homegraphClient = homegraph({
  version: 'v1',
  auth: new GoogleAuth({
    scopes: 'https://www.googleapis.com/auth/homegraph'
  })
});

const res = await homegraphClient.devices.reportStateAndNotification({
  requestBody: {
    agentUserId: 'PLACEHOLDER-USER-ID',
    requestId: 'PLACEHOLDER-REQUEST-ID',
    payload: {
      devices: {
        states: {
          "PLACEHOLDER-DEVICE-ID": {
            on: true
          }
        }
      }
    }
  }
});
    

Java

Java 用 HomeGraph API クライアント ライブラリは、HomeGraph API 用のバインディングを提供します。

  1. アプリケーションのデフォルト認証情報を使用して HomeGraphApiService を初期化します。
  2. ReportStateAndNotificationRequest を使用して reportStateAndNotification メソッドを呼び出します。ReportStateAndNotificationResponse が返されます。
  // Get Application Default credentials.
  GoogleCredentials credentials =
      GoogleCredentials.getApplicationDefault()
          .createScoped(List.of("https://www.googleapis.com/auth/homegraph"));

  // Create Home Graph service client.
  HomeGraphService homegraphService =
      new HomeGraphService.Builder(
              GoogleNetHttpTransport.newTrustedTransport(),
              GsonFactory.getDefaultInstance(),
              new HttpCredentialsAdapter(credentials))
          .setApplicationName("HomeGraphExample/1.0")
          .build();

  // Build device state payload.
  Map<?, ?> states = Map.of("on", true);

  // Report device state.
  ReportStateAndNotificationRequest request =
      new ReportStateAndNotificationRequest()
          .setRequestId("PLACEHOLDER-REQUEST-ID")
          .setAgentUserId("PLACEHOLDER-USER-ID")
          .setPayload(
              new StateAndNotificationPayload()
                  .setDevices(
                      new ReportStateAndNotificationDevice()
                          .setStates(Map.of("PLACEHOLDER-DEVICE-ID", states))));
  homegraphService.devices().reportStateAndNotification(request);
}
    

Report State をテストする

このタスクに推奨されるツール

Cloud-to-cloud 統合を認定に向けて準備するには、Report State をテストすることが重要です。

そのためには、Home Graph ビューア ツールを使用することをおすすめします。これは、ダウンロードやデプロイを必要としないスタンドアロンのウェブアプリです。

Report State ダッシュボードは引き続き使用できますが、非推奨であり、サポートは終了しています。

Report State ダッシュボード

前提条件

Cloud-to-cloud インテグレーションをテストするには、サービス アカウント キーと agentUserId が必要です。すでにサービス アカウント キーと agentUserId がある場合は、Report State ダッシュボードのデプロイをご覧ください。

Report State ダッシュボードをデプロイする

プロジェクトのサービス アカウント キーとエージェント ユーザー ID を取得したら、Report State ダッシュボードから最新バージョンをダウンロードしてデプロイします。最新バージョンをダウンロードしたら、含まれている README.MD ファイルに記載された手順を行います。

Report State ダッシュボードをデプロイしたら、次の URL からダッシュボードにアクセスします(your_project_id はプロジェクト ID に置き換えます)。

http://<your-project-id>.appspot.com

ダッシュボードで、以下の手順を行います。

  • アカウントキー ファイルを選択する
  • agentUserId を追加する

次に、[List](リスト)をクリックします。

すべてのデバイスが一覧表示されます。一覧が表示されると、[Refresh](更新)ボタンを使用してデバイスのステータスを更新できます。デバイスのステータスが変化した場合、その行は緑色でハイライト表示されます。

エラー レスポンス

Report State を呼び出したときに、次のいずれかのエラー レスポンスが返される場合があります。レスポンスは、HTTP ステータス コードの形で受け取ります。

  • 400 Bad Request - 不正な構文のため、サーバーがクライアントから送信されたリクエストを処理できませんでした。一般的な原因としては、不正な形式の JSON や、文字列値に "" でなく null を使っていることなどが挙げられます。
  • 404 Not Found - リクエストされたリソースは見つかりませんでしたが、将来使用可能になる可能性があります。このエラーは通常、リクエストされたデバイスが見つからないことを意味します。ユーザー アカウントが Google とリンクしていないか、無効な agentUserId を受け取った可能性があります。agentUserIdSYNC レスポンスで提供された値と一致していること、DISCONNECT インテントが適切に処理されていることを確認してください。