Thread Play Services API

新しい Matter デバイスの多くは、Thread(スマートホーム デバイス用に設計された IP ベースのワイヤレス メッシュ ネットワーク テクノロジー)を使用します。

Thread の主なメリットは次のとおりです。

  • IPv6 ベース: Thread デバイスは、他のデバイスと同じネットワークに参加し、デバイス同士およびクラウドと直接通信できます。
  • 低電力メッシュ: IoT 向けに構築された Thread は、通信範囲と信頼性に優れたメッシュにより、バッテリー式デバイスをサポートします。
  • 速度: 低オーバーヘッド、ローカル接続、メッシュにより、Thread デバイスは高い応答性を実現します。

Thread は、2014 年に Google が他のメンバー企業と共同で設立した Thread グループで開発されました。

Thread デバイスは、Thread ボーダー ルーターを介してユーザーの既存のホーム ネットワークに参加します。Wi-Fi ルーターが Wi-Fi デバイスとイーサネット デバイスを 1 つのネットワークにブリッジできるのと同じように、Thread ボーダー ルーターを使用すると、Thread デバイスをユーザーのネットワークの一部にすることができます。

Nest WiFiGoogle Nest Hub MaxGoogle Nest Hub (2nd gen) などの Google デバイスは Thread 無線通信を搭載しており、Thread ボーダー ルーターとして機能します。

相互運用可能なメッシュ

Thread デバイスと Thread ボーダー ルーターは、さまざまなデバイス メーカーによって製造されています。Google は、ユーザーがメーカーに関係なく、オープンで相互運用可能で強力な Thread メッシュを家に設置できるようにしたいと考えています。

Mobile SDK の一部として、Thread API が Google Play services に含まれています。Android デベロッパーはこれを使用して、デバイスをユーザーの Thread ネットワークに参加させることができます。Thread ネットワークに接続するには、参加する Thread デバイスに認証情報が必要です。Android アプリは Thread API を使用して、Play services から認証情報を取得し、参加デバイスと共有できます。

Play servicesMatter API は、設定プロセスの一環としてこれらの API を使用します。Matter コミッショナーは、Thread ネットワークにプロビジョニングする際に、参加デバイスと認証情報を共有します。

Thread の設定をカスタマイズする Android デベロッパーや、Thread を利用する Matter 以外のユースケースがある Android デベロッパーが Thread API に直接アクセスできます。

Matter 以外のユースケースの 1 つに注目すべきは、Thread ボーダー ルーターの設定プロセスです。

Thread と Matter

ボーダー ルーターの設定プロセス

家に新しいボーダー ルーターをセットアップすると、新しい Thread ネットワークが作成されるか、既存の Thread ネットワークに参加します。

ボーダー ルーターが Thread ネットワークを作成する場合、ボーダー ルーターはそのネットワークの認証情報を Play services と共有する必要があります。これにより、Matter API と他の Android アプリが認証情報を使用して Thread デバイスを接続できるようになります。

ボーダー ルーターが既存の Thread ネットワークに参加している場合、参加するには、ボーダー ルーターが Play services から認証情報を取得する必要があります。

ボーダー ルーターのデベロッパーは、このために Thread API を利用できます。ボーダー ルーターのデベロッパーは、Android アプリに設定プロセスを実装できます。アプリは Play services とボーダー ルーター間のメディエーションを行い、Thread API を直接使用します。

Nest Hub (2nd gen) などの Google ボーダー ルーターは、Google Home app (GHA) を使用して家内でセットアップされています。

使ってみる

Android アプリで Thread Network SDK の使用を開始するには、Thread Network SDK 使用ガイドをご覧ください。

Thread Network SDK を使用する